アンティークにおける偽物とは?

美術品における偽物を知る上で、まず「アンティーク」を知る必要があります。
ではアンティークとはなにか?
現在アンティークという言葉は広い意味で、
「中古」「古い」などの定義言として使用されているが、
本来は100年を超えた品を「アンティーク」と呼びます。

しかし美術品としての「アンティーク」はただ古いだけでは
良質な美術品とは表しません。
よって美術品には以下の定義が存在します。

美術品の質の定義
1.良質であること。
2.つくられた年代を反映していること。
3.稀有な品であること。
4.人を引き付ける魅力があること。

以上の要点を満たすものが「アンティーク」として
美術的、コレクション的な価値があるものとなります。

立派な質の品とは、素晴らしく作られているので、時という試練にも耐える。
この「質」を持つ品こそコレクションの対象です。
ただし、その魅力は流行に左右されて失われることもあるので一定しているわけではありません。
オリジナル品ではないものは悪意のあるものから、意図しないものまでありますが、
その種類はどういったものがあるのでしょう?


複製品

どんな時代の古典的な品も人気には盛衰がある。しかしオリジナル品はやがてマーケットから姿を消し、
美術品や賃借コレクションへと移ったり、戦争や火事、自然摩耗や破損により消失したりする。
そしてその時その品の値段は急騰するのである。つまり需要が供給を超えるのである。
この場合、この不足分には複製がつくられ始める。これは決して人を騙そうとしているわけでなく、
単に需要とのギャップを埋めている行為なのである。しかし時という魔力が、複製品にアンティークの風格を
帯びさせ。オリジナル品に近づく頃になるとトラブルが始まる。
つまり複製品が本物としてまかり通ってしまうのである。


贋造品

贋作とは複製品と違って、騙すために意図があり計画されてつくられた品のことをいいます。
しかし、古い品を再製しようとしても、細部まで正しく作るのはとても難しい作業になります。
このため当時から残されている贋造品は稀です。
それでも熟練者は小さな個所からその「欺き」を発見できる。


変造品

一番多いのはこの変造品である。変造とはどこかが変えられた品をいう。
変造は悪意からされたないにしてもそこに意図があるのは事実です。
現在の窯業の分野で最大の問題のひとつは、古い磁器にさらに高価なデザインを施して
再度装飾をすることです。古いパターンでエッジング(食刻)され、その上にエナメルが
塗られて新しい品が出来上がる。このような変造は見分けるのが困難です。
さらに古いデザインと新しい品との値段の開きが何千倍もあったりします。


以上が主にヨーロビアンアンティークにおけるオリジナル品でない
似た作品の種類になります。

アンティークの査定において、こういった品物との区別をすることは困難なことかもしれませんが、
美術品の質の定義からよく考え、要点を照らし合わせれば時代の判別は不可能ではありません。

ご参考になれば幸いです。
当店でもヨーロビアンアンティークを始めとした美術品の査定を行っております。
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